修行先①
2021/07/27
修行先①
『お菓子ストーリーズ』のページでは、商品説明だけでなく、お菓子への考え方、修行時代の思い出などを書いていこうと思います。私が東京の修行から帰ってきたのが、2018年の5月。
今回は、修行先の出会いについてお話をしたいと思います。私が千葉を離れ東京の製菓学校に通うことになり半年が過ぎようとした10月。私は千葉に帰って家業を継ぐ意思で来たので、一時も時間を無駄にせずに、東京でお菓子を学びたいと思っていました。製菓学校の授業が終わってから、お菓子屋でアルバイトをすることで、学校での教わる授業ではなく、現場で自分から学ぶ授業をしたいと考え、お菓子屋探しが始まりました。
その当時は、「テレビチャンピオン」という色々な分野で秀でた人たちの一番を決める番組が流行っていました。その中で人気の和菓子、スイーツなど一番詳しく知っている「甘味王選手権」あり、あまりに人気なために美味しいお店の特集が組まれた雑誌が発売されるほどでした。私は東京に出てから有名店の味を学ぼうと、時間を見つけてはお菓子屋巡りをしました。その時に出会った本が、テレビチャンピオンの「甘味王選手権」の本。その本を見ながら都内のお菓子屋さん巡りが始まり、自分の中に『美味しい味の基準』をつくる一歩でした。
同じシュークリームでもお菓子屋さんによって、生地のかたさ、クリームの濃厚さ、口どけの良さは異なり、一つとして同じものはありません。だから、自分でジャッジできる『美味しい味の基準』を持つことが大事、そんなことを考えてお菓子屋巡りをしました。
そして、その雑誌の中で一つのお菓子屋さんと出会いました。確か、買ったお菓子は、ショートケーキ、シュークリーム、クッキー、ダックワーズ、マドレーヌなど、定番のもの。どれもが美味しくて一週間後には、また買いに行ってました。そのお店が、後に修行先となるお店です。
私はとにかく時間を無駄にしたくない、実家に帰るまでの期間を大切にしたいという思いから、製菓学校のアルバイト求人広告を探しました。そうしたら、見たことのある 名前がありました。私が美味しいと記憶に残ったお店が11月から12月までの繁忙期に17時から22時までの5時間のアルバイトを募集と記載されていました。自分の中で2度とないチャンスだと思い、すぐに電話をして面接させていただく事になりました。
面接では、後に師匠となるシェフの中村さんとの出会うことになります。