ダックワーズ(Dacquoise)②
2021/08/01
ダックワーズ(Dacquoise)②
『ダックワーズ』の生地を型に絞り、粉糖をかけた画像。
求めるダックワーズ・・・
私が求める『ダックワーズ』の美味しさは、①生地を口に入れ表面の薄い砂糖の膜が「サク」として、中の生地は、しっかりとメレンゲを抱き込み「フワっと」していること。そして、②生地は空気を抱き込んでいても、乾燥せずに適度な水分を保持して、しっとり、かつ口溶けがよいこと。③サンドする「バタークリーム」は、生地のアーモンド風味に負けない風味。そして、生地のふんわり感と同様に、軽い「バタークリーム」であることです。④生地、バタークリームをサンドして口に入れたら風味は一体化。バタークリームの水分が生地に少し浸み込むことで、飲み込む際に喉にのこらず簡単に飲み込めること。以上4点すべてクリアできる
最高のメレンゲをつくる・・・
美味しい『ダックワーズ』を作るには、第一に「良いメレンゲ」をつくること。「良いメレンゲ」とは、しっかりとコシが強く粉類と混ぜ合わせても泡が残る状態のものをいいます。
(メレンゲを強くする条件)
①卵白を冷蔵庫で冷やしてから、メレンゲをつくること。卵の特徴として、温かいほど、泡立てると空気を抱き込む性質があります。一番の例として、ショートケーキのスポンジは、卵に砂糖を入れ、36度くらいの人肌の温度に温めてミキサーにかけます。そうすることでフワッとしたスポンジが焼きあがります。この卵の特徴は、『ダックワーズ』には当てはまりません。『ダックワーズ』の最適なメレンゲは、コシが強く粉類と合わせても潰れない泡をもつものです。温かい状態でメレンゲを作ると、フワッと空気をたくさん抱き込むことはできますが、コシが弱く粉類と合わすと潰れやすい泡の集まりです。メレンゲの泡をしっかりと残すために、卵白だけでなく、砂糖、ミキサーボウルすべてを冷蔵庫で冷やして、コシの強い粉類と合わせても泡が残るメレンゲをつくることが、大事になります。
②卵白にグラニュー糖をすべて入れてメレンゲをつくること。通常、メレンゲを作るときは、卵白に砂糖は3回くらいに分けて泡立てることで、良い状態にもっていきます。ただ、このダックワーズの卵白は、冷蔵庫で冷やしているので、砂糖は溶けにくいです。溶けるようにするため、最初にすべて砂糖をいれます。メレンゲを作る際の「砂糖」の役割は、メレンゲの保形性を強くするためです。そのため卵白に砂糖が完全に溶け切った状態にすることが、良いメレンゲの状態にする需要なポイントです。冷えた卵白に砂糖を3回に分けると、最後に入れた砂糖が溶けていない場合、メレンゲは弱く、粉類を合わせるとメレンゲがつぶれてしまいます。そして、砂糖の粒子が卵白に溶け切らないと、焼き上がりの生地がかたくなります。
美味しい『ダックワーズ』を作る、第一のポイントは「メレンゲ」を最高の状態にする。以上の2点が最高のメレンゲをつくるために、毎日注意している点です。