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お菓子ストーリーズ

ダックワーズ(Dacquoise)⑥

2021/08/11


ダックワーズ(Dacquoise)⑥

粉糖は2回かけて、「ペルル(perle=真珠)」を出す・・・

「シャブロン型」に生地を流し、パレットナイフで生地を平らにのします。次に、ダックワーズの表面の美しさをだす作業に、粉糖を2回ふるいます。

粉糖1回目・・・粉糖を全体にまんべんなく、均一にふるいます。粉糖が生地の水分を吸って透明になり、皮膜をつくります。注意する点は、均一に粉糖をふるいかけることです。粉糖が少ないと、焼き上がりの生地が割れてしまいます。逆に粉糖が多すぎると、焼き上がりの表面の生地が厚くなり、サクッではなく、ザクっとした食感になってしまいます。

ただ、粉糖をふるいかけるのではなく、均一にまんべんなくふるいかけます。ここで、均一にふるわないと、良い素材をつかい、よい手順をおこなっても商品になりません。粉糖が少ないとひび割れた生地、粉糖が多いと表面が厚く食感が悪い生地になります。私が『ダックワーズ』を初めて食べた時の感動は、表面の繊細な食感です。はかなくて、もろいけど粉糖が被膜となり生地の保形性を出し、支えています。

粉糖2回目・・・1回目の粉糖がしっかりと生地の水分を吸ったのを確認してから、2回目です。この2回目の粉糖をする理由は、より表面の被膜を強くして生地を割れないようにするためです。そして結果として「ペルル」が出来ます。「ペルル(perle)」とは、フランス語で「真珠」を意味します。焼き上がりの表面のつぶつぶした状態が、「真珠」のようだと言われ、「ペルル」と言われています。2回目の粉糖も全体にまんべんなく均一にふるいます。ここでも、集中して多くもなく、少なくもなく粉糖をふるいます。2回目の粉糖はふるったら、粉糖が生地の水分を吸う前に、すぐにオーブンにいれます。オーブンで加熱されることで砂糖が飴化し、焼き上がりの表面に「ペルル(真珠)」といる砂糖の結晶ができます。すべての工程が完璧だと、外側は繊細でサクサク、中はフワッとした美味しい生地ができます。