TEL FAX
落花煎餅
初夢
と々菓
ブールドネージュ
ダックワーズ

お菓子ストーリーズ

ほまれ①

2021/09/28


ほまれ①

ほまれの誕生・・・

『ほまれ』は、2005年に完成しました。『ほまれ』には、たくさんの想い、気持ち、心がつまったお菓子です。まず、東京のパティスリー(洋菓子店)で修行した私が最初につくった和菓子。和菓子をつくった経験のない私が、餡を煮ること、求肥をつくること、和菓子の素材について調べ、突き詰めること、初めてのことばかりですが、何十回と試作の末、完成した和菓子です。でも、試作の回数は沢山しましたが、食感、素材の組み合わせ、餡、求肥のかたさ、口溶けの良さなど、今まで私が経験してきた洋菓子の考え、経験、技術、味の基準を活かすことが出来ました。『洋菓子のつくり手がつくった和菓子』です。

次に、『ほまれ』は、長男が誕生した記念として、「誕生菓」をつくろうとしたのが始まりです。「誕生菓」であるので、家族みんなで作ろうと思い、名前は妻に考えてほしいとお願いしました。長男の「誕生菓」としてつくるものなので、妻のノートには、いくつもの候補が並び、最後に残り選ばれたものが、『ほまれ』でした。とても想いの詰まった、子を思う母が名付けた名前になりました。そして、箱の中に入っているリーフレットがあります。この文章も妻に考えてもらいました。この文章も何度も何度も書き直しつくった心を込めた素晴らしい文章になりました。

最後に『ほまれ』の文字は、書道を習っている母に書いてもらったものです。この文字も、何十回と「ほまれ」「ほまれ」・・・と半紙に、筆で書いて生まれた文字です。孫をかわいがるおばあちゃんの気持ちが文字に表れています。

『ほまれ』に込めるおもい・・・

ほまれは漢字で「穂希」と書きます。漢字の語源を紐解くと、『穂』は〈禾〉と〈恵〉で成り立っています。〈禾〉は、穂先が茎の先端に垂れかかる穀物・稲を表します。〈恵〉は、いちずな心を傾ける・めぐみ・幸福から「穀物の恵みを意味します。」

「希」の〈爻〉は、糸を意味し・相手と相手をつなげげておくもの・橋渡し、〈巾〉(ぬの)は一面に広げる意味があります。「希」はこの二つが組み合わさった文字で『糸のごとく人と人を結びつけ、巾(ぬの)を広げるかのごとく、どんどん良い方向に広がる』という意味があります。

ほまれの素材となる米・小豆・砂糖は、たくさんの光と水と風を浴びて育った大地の贈り物です。その恵みをたくさんの愛情を注いで育てる農家さん、丁寧に作り上げ上げる菓子職人、大切な人を想渡しする販売員、大切な人を想い、贈り物をする人・・・それぞれの一途な想いが大切な方に届いた時、まるで糸のように交わり一つの大きな巾(ぬの)にかわるのです。「ほまれ」が贈り物として人と人、想いと想いをつなぐ架け橋となる。そんな誉れ高いお菓子になっていくことを願い、私たちはこのお菓子を「ほまれ」と名付けました。

これらの文章は、妻が我が子を想いながら考えたリーフレットに書いてある文章です。