作法とマナー
作法とマナー
熨斗(のし)、掛け紙の表書きの書き方や贈り物の包み方、水引の意味などについての作法やマナーを説明しています。
本来、熨斗(のし)は縁起物である鮑(あわび)を薄く伸ばし贈り物に添え、中身を表す目録と一緒に贈られてきました。また、のしの起源である鮑(あわび)は長寿の象徴であり、末永く続くようなお祝いごとに適しております。そのため弔事の場合は必ず熨斗がなく水引だけが印刷された「掛け紙」を使用しております。
「熨斗(のし)」とは、鮑(あわび)を薄く延ばした「熨斗鮑(のしあわび)」のことで、慶事の際、贈り物に添える縁起物です。そのために、弔事には使われません。
『のし』の構成要素は「熨斗(のし)」「水引」「表書き」「名入れ」の4つの構成要素となっています。
大きく分けて「何度繰り返しても良いこと」「一度きりであるべきこと」の2つに大別されます。
結び目が何度も結びなおせることから、一般的な祝い事、何度繰り返しても良いことに用います。例えば出産祝い、長寿祝い、内祝い、お礼、お中元、お歳暮などに利用されます。
固く結ばれ簡単に解けないことから、一度きりであって欲しい場合に用いる形式です。主に結婚祝い、弔辞、お見舞い、快気祝などに利用されます。弔辞の場合、のしは使いません。
水引の本数は3本・5本・7本・10本などがありますが、一般的には5本を基本としています。5本を基本とするのは中国古代の学説である「五行説」が由来とされており、「自然や人間などの万物は5つの元素から成り立っている」という考えから来ていると言われます。また、水引を結ぶ時の本数は「奇数」とされています。こちらも中国の「偶数は陰、奇数は陽」といいう陰陽説から来ていると言われていたり、「割り切れない数であるから」など諸説あります。10本は奇数ではありませんが、5本×2という考え方で、より豪華に飾り付けるという意味で利用されます。
※坂本総本店では、「水引」の本数は5本を使用しています。
掛け紙・・・「蓮の花」が書かれたもの。
①表書き・・・贈り物の目的
②水引・・・黒白の結びきり
③送り主の名前
④蓮の花・・・「仏式」で使われます。
掛け紙・・・「蓮の花」のないものは、宗教、地域問わず共通で使えます。
①表書き・・・贈り物の目的
②水引・・・黒白の結びきり
③送り主の名前
弔事とは、身近な人の死去・葬儀などのお悔み事全般のことを指します。弔事の贈り物には熨斗(のし)がない「掛け紙」を掛けます。なお、宗教や宗派によって利用するのし紙が異なります。「仏式」「神道」「キリスト教」などがありますので、事前によく確認することが大事です。
夫婦などの連名で贈る場合は、夫の名前をフルネームで書き、その左側に妻の名前を書く。
連名の場合、地位、年齢の高い順に、右から書き入れます。順位のない関係の場合は、右から五十音順にする。
4名以上になる場合は代表者の名前のみを書き、その左側に「他一同」と書くか、「OO部一同」や「有志一同」と書くのが一般的です。
法人で贈る場合には、代表者名を中央下部に書きます。もし会社名も添えたい場合には個人名の右上に小さく書きます。
最近では、紅白の水引で蝶結びが印刷された短冊のしも多く使われており、通常の熨斗よりも面積が小さいため、贈り物の右上に貼って使用します。贈り物をぐるりとくるむ通常の熨斗に比べると簡易的なものではありますが、決して失礼にあたることにはなりません。
お品に直接熨斗紙をかけ、その上から包装紙などを付ける方法です。“贈る”ということを控えめに表現したい内祝いなどでは、内熨斗が適しているとされています。またお品を郵送する場合には、熨斗紙に汚れや傷が付かないよう、内熨斗をおすすめします。
婚礼関係などの大きなお祝いごとがあり、受取をされる方に贈り物が集中することが予想される場合、誰から来たものかすぐにわかるように外熨斗にするのがいいとされます。また、お品を直接お渡しする際には、贈る目的が伝わるよう、外熨斗を選ばれることが多いようです。