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お菓子ストーリーズ

ダックワーズ(Dacquoise)⑨

2021/08/27


ダックワーズ(Dacquoise)⑨

バタークリームをサンドする・・・

『ダックワーズ』の生地が完成したら、最後にコーヒー風味の「バタークリーム」をサンドして完成です。「バタークリーム」の皆様のイメージはどのようなものをお持ちですか?バターを使ったクリームだから、油っぽい、生クリームより重いクリーム?こんなイメージを持たれる人達が多いのではないでしょうか?私も、東京で修行をする前は、そんなイメージをもっていました。でも、良質なバターをつかい、正確に温度を測り、きちんとした手順でつくると、まったく油っぽくなく、軽く滑らかな「バタークリーム」になります。これから美味しい「バタークリーム」の作り方をお伝えします。

素材:無塩バター・・・

「バタークリーム」には、「無塩バター」を使います。「バター」には、「無塩バター」「有塩バター」「発酵バター」の3種類あります。「無塩バター」は、バターの風味が味わえ、主張しすぎずお菓子全体のバランスをとってくれます。「有塩バター」は少し塩気が感じられます。トーストにのせて食べるとおいしいです。「バタークリーム」に使うと塩気を感じてしまいます。「発酵バター」はコク深く芳醇な香りがします。個性の強いバターで、焼菓子に使うのに最適です。

今回、『ダックワーズ』の「バタークリーム」には、「無塩バター」を使います。他の「有塩バター、発酵バター」が良い悪いという話ではなく、求めるお菓子に最適なバターは何かということが重要です。『ダックワーズ』は生地にアーモンドを使い、クリームにはコーヒーを使います。アーモンドとコーヒーの風味が主役なので、その二つを引き立たせるためにには、主張を抑えた「無塩バター」の「バタークリーム」が適しています。坂本総本店では、焼菓子では、「発酵バター」を使い、「バタークリーム」「チョコレートを使う焼菓子」には「無塩バター」を使います。また、お菓子によっては、ブレンドするものもあります。

バターの特性・・・

「バタークリーム」を作るときのバターの状態は、クリーム状にします。バターの特性として、「クリーミング性」という性質があります。温度は20~22度。

固形のバターを、電子レンジ500Wにかけ、バターを絶対に溶かさないようにして、少しテカリが出て、簡単に混ぜられる状態です。力を入れないと混ぜられない状態では、温度が低いです。バターは温度によって、状態が変化します。それぞれの状態によって、つくるお菓子が変わっていきます。

イタリアンメレンゲ・・・

「イタリアンメレンゲ」をつくり、クリーム状にした「バター」に合わせます。「イタリアンメレンゲ」とは、卵白と砂糖をミキサーにかけ、メレンゲをつくり、118~120度に煮詰めたシロップを入れてつくった力強いメレンゲのことです。高温のシロップ、通常のメレンゲよりも砂糖を多く加えることができるので、保存性、安定性が高いのが特徴です。

バターとイタリアンメレンゲをあわす・・・

バタークリームの温度は20~22度のクリーミング性がある状態。イタリアンメレンゲは30度くらいまで冷ましてから混ぜ合わせて完成です。バターは30度以上で溶けてしまいますので、両方をあわせた温度が30度を超えないことがポイントです。「バターは溶かさない」ことを、常に意識してつくります。

どうして、バターは溶かしてはだめなのか?

バターは、水と油脂が結びついた乳化した状態のものです。「乳化」とは、お菓子の世界では、常に意識するものです。例えば、パウンドケーキ、ボンボンショコラ、クッキーなどの製造工程において、油脂と、水分を細かく結びつけるかによって、仕上がりが美味しさが変わってきます。バター、クリーム、チョコレートなどの油脂分を使うものにすべてに「乳化」のことを考えながらつくります。

バターを例にしますと、バター自体がが乳化したものです。簡単にいいますと、熱を加て「溶かしバター」にしたものと、「固形のバター」があります。口に入れて、食べる(飲む)ことができるのは、どちらかというと、「固形バター」を選ぶと思います。「溶かしバター」を飲むことはできないけど、「固形バター」は食べることができる。この差は何かというと、「乳化」しているか、していないかです。「溶かしバター」は、乳化がこわれています。「固形バター」は、油脂と水分が乳化しているため食べることができるのです。この『乳化を保つ=温度を保つ』ことで、美味しい「バタークリーム」をつくることができるのです。