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お菓子ストーリーズ

ほまれ⑥

2021/10/24


ほまれ⑥

求肥(ぎゅうひ)つくる・・・

「求肥」と書いて、「ぎゅうひ」と読みます。「求肥」とは、もち米を粉にしたものに砂糖や水あめを加えて練った食べものです。できあがった求肥は、つきたてのお餅のようにやわらかく、ほんのりした甘みがあります。そして、砂糖が入っているので、時間が経っても硬くならない特徴です。

白玉粉・・・

「求肥」には国内産の水稲もち米のみでつくった「白玉粉」を使っています。「白玉粉」は、精米したもち米を一晩水に漬けやらかくし、水を加えながら挽きます。そして水中で沈殿したものを絞り、乾燥させ出来上がりです。

求肥が常温でもやわらかい理由・・・

お餅は、加熱してやわらかくしても、時間が経つと硬くなってしまいますが、求肥は硬くなりません。どうしてでしょか?

その答えは、「糖」にあります。求肥には、「砂糖」や「水あめ」が使われます。「砂糖」や「水あめ」には水分を保持する働きがあります。そのため、時間が経過し冷めてもやわらかいままを保つことができるのです。

グラニュー糖、きび糖・・・

(グラニュー糖)

(きび糖)

「求肥」を作る際、通常は「上白糖」を使います。今回、私は、試作を行い、はじめは「上白糖」を使いました。感想としては、求肥単体としては美味しい。ただ、餡と、上白糖を使った求肥を一緒に食べると風味の一体感がありません。

風味の一体感・・・

「餡」は、鬼ザラ糖を使いすっきりとした小豆の味わい。「求肥」は白玉粉に上白糖を合わせた甘いお餅の味わい。すっきりした「餡」なので、「求肥」には、コクがほしい。コクがあることで、口の中にいれると一体感が生まれます。すっきりした「餡」、すっきりした「求肥」だと、味わいの方向性が同じため、一体感というより、「同じ味わい」になっていまします。もっと、「私は求肥です」という主張を入れることで、一体感の中に個性が生まれます。

その個性を出すために、「上白糖」ではなく、「グラニュー糖」をつかい、「白玉粉」の風味をより引き出し、「きび糖」を使うことで、求肥全体にコクを出します。甘さだけでなく、主役の「白玉粉」の味わいを引き出すために「グラニュー糖」「きび糖」の2種類の砂糖を使いました。

求肥のかたさ・・・

次に、求肥のかたさを調節しました。通常、求肥は、白玉粉に水をいれ、蒸します。そして、それを鍋に移し、上白糖と水を交互に入れ火を入れながら作ります。私は、この水を入れることに注目しました。「水」のいれる量によって、仕上がりのかたさが変わっていきます。「糸寒天で固めた餡のかたさ」と「求肥のかたさ」このバランスを決めることで、『ほまれ』というお菓子の一つの味わいが生まれます。「餡」と「求肥」という二つのシンプルな組み合わせですが、求肥のやわらかさを変えることで、違った味わいのお菓子になります。

試作の際、求肥にいれる水分量をあらかじめ決めて、そして最後の重量を決めることで、求肥のかたさをいつも安定させることができます。私の求める求肥のかたさは、口の中でとろっと感じるかたさ。通常の求肥のかたさよりも、やわらかくすることで、餡のかたさの中に、やわらかな求肥がとろっと溶ける。そんな食感です。これは、私が、洋菓子をやってきたことで、学んできた食感のアクセントによる「旨味」です。洋菓子は、食感を活かし、それを美味しく食べさせる文化があります。食感のメリハリ、アクセントをつけ、味だけでない美味しさを生み出しているのです。

「求肥」というお餅の文化に、洋菓子のエッセンスをいれた「求肥」を『ほまれ』に使っています。